短編集 一区間のラブストーリー
第20章 短編その二十
「いいのよ…男の子だもん、
女の体に興味があって当然よ」
彼女は俺の手を取り、
自分の胸に導いてくれた。
「!?」
彼女はノーブラだった!
俺の手のひらに、
まともにおっぱいの柔らかさが伝わってくる。
「きよしくんは、
もう女の体を知ってるのかしら?
つまり、童貞を卒業したのかな?」
「いえ…俺、まだ、童貞です…」
「じゃあ…教えちゃおうかな?
こんなおばさんじゃイヤかしら?」
俺は首がちぎれるほどブンブンと振り
「お、教えてください!
それにおばさんは
おばさんなんかじゃないです!」
自分のセリフに矛盾を感じたが、
彼女はセリフの後半部分の
『おばさんなんかじゃないです』という部分だけを受け止めてくれた。
「まあ…嬉しいことを言ってくれちゃって…」
実際、彼女は純一を
若くして出産しているので、
俺とは17歳しか年が離れていない。
「じゃあ…キスしちゃおうかな」
彼女は両手で俺の頬をホールドすると
あっという間に唇を重ねた。