短編集 一区間のラブストーリー
第13章 短編その十三
翌朝、僕が目を覚ますと
母の姿はすでにベッドにいなかった。
昨夜のことは夢だったのか…
いや、そんなことないと下半身の気だるさが本当に母親といけない事をしたのだと物語っていた。
眠気眼で階段を降りてゆくと両親は朝食を摂りながら、またもや喧嘩をしていた。
「どうしてもっと早く言ってくれなかったの?」
ひどく疲れた声で母は父をなじった。
「仕方ないだろ。急に決まったんだから…
昨夜お前に話そうと思ってたんだが
ああいうことになっちまって
話す機会がなかったじゃないか」
そう言いながら時間だからもう行くぞと、
父はトランクを転がして出て行った。
『まさか…本当に別居?!』
ぼうっと立ち尽くす僕に気付いた母が
「あ、明ちゃん、おはよう…
ねえ、ちょっと聞いてくれる?
お父さんね、この年末で忙しい時に出張ですって…」
ああ、そういう事でしたか…
じゃあ…今夜は母さんと二人っきりの夜か…
今夜も母さんは僕と一緒に寝てくれるかなと思い
「今夜も僕の部屋で寝る?」と尋ねると、
「今夜はちゃんと寝室で寝るわ」と冷たい返事が返ってきた。
ショックのような安心したような気分で僕はその一日を過ごした。
思えば昨夜のことだって母さんにしてみれば大サービスだったに違いない。
母と息子が結ばれるなんてあってはならないことなんだし…
僕は気まずい雰囲気で、夕食をさっさと切り上げてバスルームに飛び込んだ。
股間を洗うと、昨夜の母さんのお口の感触を思い出し、チンコが勝手に勃起し始めた。
「明ちゃん、長湯なのね」
ガス代の節約になるから母さんも一緒に入っちゃうわねと、
僕の了承も得ずに母さんはバスルームに飛び込んできた。
「ちょ、ちょっと母さん!?」
慌てて僕は勃起しているチンコを手で抑え込んだ。
「親子なのに何を恥ずかしがってるの?」
お母さんが背中を流してあげる…
背中を流すと言いながら、
母は手でシャボンを作り、
僕の手を払いのけてチンコを洗い始めた。