
🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第5章 宝のゴミ
「――――これから…二度寝したら…また、あの夢見るかな?」
皇輝さんは私の手を取り――――見つめる。
「分かりません…でも――――…お願い出来ますか?」
私は、繋がれた手に力を込める。
もし、皇輝さんと一緒に手…さっきの夢が見られるのなら…
そう…思ったのだ……。
「分かった――――じゃぁ…繋ぐね?」
そう言うと、皇輝さんは――――華道家の祖父から譲り受けた花鋏の隣に置いてあるピンクのリボンを手にした。
「そういえば――――その花鋏…いつ修理に出すんですか?」
「あ~…出したいんだけど……この花鋏、かなりの業物らしくて…修理に物凄く時間も金もかかるんだって……当分このままかな?」
皇輝さんのアパートが火災に巻き込まれたときに…黒く焼け焦げてしまった…花鋏は…2年たった今でも――――黒く…花鋏らしからぬ姿になっている。
