🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第8章 偽物の本気
キョロキョロと辺りを見渡す――――…
暗く…
息苦しい…
部屋に――――…
一人の男が立っている。
(やっと――――…やっと…父さん…)
歪んだ声を発するその男の足元には――――…
首を切られた男がピクピクと痙攣しながら横たわっていた。
よく見ると……立っている男は返り血を浴び……嬉しそうに微笑んでいた。
(あんたに殺された――――親父からの伝言だ…「俺が全部…奪ってやる」――――だ)
そう言うと男は部屋を出ていった。
すると、男が出た直後に――――悲鳴と警察を呼ぶ声が次々と聞こえ…
誰かがすぐに部屋に入ってきた。
(父さん!――――士郎(しろう)お前!お前!!!)
――――父さん…
倒れている男性の息子だろうか…身なりのいい…上品な男だ…。
士郎――――は、さっき出ていった返り血の男の名前だろうか?
私は、暗い部屋で父親のそばに駆け寄り止血をしようとあわてふためく男性に視線を向け――――…ため息をつく。
――――死んでいる…
父親は死んでいるに違いない…
だって――――
私がこの光景を見ていると言うことは…
“死”が確定しているからだ。
助けられるのなら…助けたい。
でも……
なんか違和感があるのだ…。