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🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️

第8章 偽物の本気


「確かに――――雰囲気をぶち壊す撮影会に…俺は幻滅したしな…。絵を返したら――――その客もピタッと来なくなって…マジであれは勘弁っす!」



皇輝さんは疲れたようにカウンターの椅子に座ると、先週まで飾られていた絵のあった場所を見る。


殺風景になった気もするが、変な客が狭い店をワイのワイのといる光景よりはましである。



――――それから半年…


結局…



贋作は18点が回収され…残りの2点は出てこなかった。


贋作が注目されたことで、本物の「田園」と「The sun」は画家ごと有名になった。


すでに画家は数十年も前に亡くなっているが…絵画界ではよくあることである。


彼の2作品がこれから独り歩きするのである。



そして、おかしな事に…贋作を作った若林 基樹も有名になったことで――――贋作が高値で取引されている。


一時期、贋作の引き取りで大損害に見舞われた”大門画廊“だったが、贋作の販売でそれ以上の利益をだしていた。


あのイケメン息子は…贋作が売れると分かって――――買い戻していたのでは?と、疑われたが…誠実な対応と丁寧なアフターケアーで変な噂もなくなった。




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