🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第9章 本気の偽物
それもそのはず――――…
若林の息子も…父の支援を受けていたからだ。
息子の士郎(しろう)に支援を多目にしてほしいと…土下座している場面を見たことがある。
「自分は……あの報酬だけでいい――――たから…士郎を頼む…」
そう言って、床に額を擦り懇願する彼に父は笑いながら「落ちたなぁ~基樹」と、飲んでいたお酒を一気に飲み干した。
そして――――…「あの絵は…売れそうだ…息子共々…可愛がってやるから……安心しろ」と、愛しそうに髪を撫でた。
俺は、鳥肌が立ち――――その場を後にしたが…。
次の朝…地下の部屋から――――…若林 基樹が疲れた表情で出てきたのを何度か見かけた。
多分だが――――…
若林 基樹は…
父の愛人だ――――――――。