🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第9章 本気の偽物
成長し大学を出る頃には――――父の裏の仕事がなんなのか徐々に察しはついていた。
そう――――贋作の転売…。
そして、その贋作を作り出していたのが…あの若林 基樹だと言うことも…。
何年も、彼を囲い―――…彼の体と脳みそに金と欲を染み込ませ…
自分の欲しい絵画を描かせ続けた父の――――裏の顔…
気持ちが悪く吐き気がするが…
俺はそれを見て見ぬふりをした。
だって――――…彼は幸せそうだったから…
しかし、一緒に囲われていた息子も同じ感情だったか…と、言えば――――…違ったのだろう。
父親の才能をコピーするよう強要され――――…
彼の息子だと言うだけで…欲をぶつけられる息子の苦痛はいかほどだったのか…
今思えば――――…地獄ような日々だったに違いない。