🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第9章 本気の偽物
「さっきから何を言っているんだ……お前の父親が!俺と父さんの人生をめちゃくちゃんにしたんじゃないか!
お前の親父は変態で強欲で――――…最低な糞人間だった!
父さんは、天才だった!なのに、なのに――――贋作と言う…画家を侮辱する存在に成り下がらせたのはお前の父親だ!」
士郎は――――目の前の防弾ガラス越しに私に殴りかかる…
が、防弾ガラスに阻まれゴン!と、鈍い音を目の前に響かせた。
「――――基樹さんは最後に言ってたよ…私に絵の才能が遺伝していて良かったって…」
「は?――――お前…何を…」
「まだ、気がつかないか?お前は…父親の大門 底二郎に似て――――鈍感だなぁ…」
その言葉を…理解するのに…士郎の思考は止まったように見えた。
「――――は?大門…似…?」
「はぁ……、これを見て――――確信するか?」
私はスーツの前のボタンを開け――――…ワイシャツをズボンから引っ張りだし…腰の辺りを士郎に見えるように露出させた。
「――――三つの…ほくろ?」
「産まれた時に…“夏の大三角形みたいだな”って、父さんが言ったんだ…。
若林 基樹の…人生最初で最後の大傑作――――“the son”は…私だよ」
「――――は?嘘だ…嘘だ……」
「嘘じゃない――――…私が、若林 基樹の正真正銘の息子で…
君は――――ゲスで欲深く…変態で人間失格な男の…息子……理解できるかな?」