
🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第9章 本気の偽物
「まっ、花道さんは士郎さんも気に入らなかったんだから…しょうがないてすよね?」
「そうですね――――私は、士郎が嫌いでした…。
本来なら……私が父から絵の指導を受けるはずでしたからね……。若林 基樹の才能と作品は今や――――全世界が認める物となりましたから…。彼の息子だと公言出来ないことも…悔しいです」
私は、これからも、大門 底二郎の息子として生きていく――――…
若林 基樹が作った――――贋作…第一号として…。
「それはそうと…3年間…お疲れ様でした。長い復讐計画でしたが――――最後までうまくいって、うちのボスも喜んでいました――――今後とも…資金面で協力をしていただけると嬉しいです」
「もちろんです――――“復讐コンサルタント”さんには細かい部分で沢山助けていただきましたから。我が“大門画廊”は惜しみ無い協力を今後もさせていただきます」
三年前――――父の計画が実行されようとした際に…
細かい欠点が浮き彫りになってきた…
その修繕と軌道修正をしてくれたのが――――この車に一緒にいる“復讐コンサルタント”の戸次 伊理登(とつぎ いりと)だ…。
父が自ら車に飛び込んだのを合図に――――我々は動く予定だった。
しかし、思いの外…当たりどころが悪く…父は即死ではなかった。
病院で昏睡状態だった父の姿を見て…母も俺も焦っていた。
そんな中で、存命を望んでいたのは――――…大門と士郎だけだった。
