🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第11章 囁く計画
とある一件から――――大門画廊店と親しくなった我々の会社は…
主依頼の時のみ、ここを打ち合わせに使わせてもらっている。
もともと来店は予約制の画廊だったし、店主のさじ加減で店の開店有無を決められるから、便利である。
「はい――――…紅茶のおかわり…。しかし、宗教団体一に復讐をするって……骨の折れる話ですね…」
「まぁ――――…でも、宗教団体じゃなく…教祖一人への復讐って考えたら……普通の復習とかわらないのかなって…思いません?」
俺は、大門が入れてくれた紅茶を飲みながら――――…「うまい!」と、心の中で彼の紅茶を絶賛する。
大門 花道――――…綺麗な顔立ちの若き画廊店主…
父親を、贋作作家の若林 士郎(わかばやし しろう)に殺害され…一時期世間を騒がせたが、その後…贋作作品が飛ぶように売れ…今では“絵画と言ったら大門”と、呼ばれるほど絵画の価値や画廊の地位を磐石な物とした人物である。
「最近――――士郎さんの所へは?」
「ん?行くわけないじゃないですか……基本、私はあの男が大、大、大嫌いなんですから……。偽物は偽物らしく、獄中で死ねばいいんですよ」
大門は爽やかな笑みを浮かべ――――…本当の父親である、若林 基樹(わかばやし ともき)が生前に描いたオリジナル作品を見上げた。
その絵のタイトルは――――…
【希望の夜】と掲げられていた。
しかも、その絵の値段が恐ろしく高く――――…売る気が無いのでは?と、勘ぐってしまう。