🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第12章 距離と溝
青筋を立て――――ピキピキと悲鳴をあげる筋肉を鏡に写し、満足げな顔で俺を鏡越しに見る三井の顔はテッカテカに汗で光っていた。
「マジか――――俺…知らないで働いてた…」
未來ちゃんと一緒に働けるのが嬉しくて…月子さんの店がそんなとてつもない所にあるとは知らなかった。
つ~こ、月子さんの恋人…そんなホテルのオーナーなの?!
月子さん…マジでヤバい……。
しかし、出会って約2年…俺と未來ちゃんはいつもの一緒にいた…。
そう考えると――――…普通とは言えない関係だったかもしれない。
「やっぱり――――俺…ウザかったりしたのかな?」
一緒にいたら――――夢を見ない…と、言う特別感を利用して…
一緒にいすぎたかな?
「少年よ――――我々も“コンサルタント”の件があるから…目は光らせているつもりだが…、少しの違いを見極められるのは…少年だと思っている……離れた今こそ…注意するように」
「分かった――――…」
三井は両腕をダンベルで鍛えあげると、満足して次のマシーンに向かって歩き出す。
そこには、お気に入りのインストラクターがいたのか笑顔で胸を張る仕草をしていた。