
🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第13章 再び眠れない
部屋を見渡し――――「はぁ…」と、大きくため息をつく。
けっこう大きなため息で吐き出した瞬間は何故かスッキリした。
――――ため息すらも我慢していたのかな?
皇輝さんや美希さん岳さんに気を使わせないように…ため息を我慢していたことに気がつく。
海上事故の夫婦の件から――――ぶっちゃけ眠れなくなっていた。
私にはあの夫婦の…いや――――あの旦那さんの“死”を防ぐことなんか出来なかった。
未来は変えられない――――。
そう、思い知らされただけだった。
「私は――――一人じゃ何も出来ない…」
奥さんの裏切りを知りながら…
それでも奥さんのいないこの世に未練なんかなくて…
奥さんの後を追った旦那さんの“死”に…私は関わってしまった。
止めなかったし…
止められなかった――――…
あの夫婦の部屋は…
恐ろしいくらい……“無”だった。
それでも、男性が奥さんを思う気持ちは…
“死”を選んでしまうほど……
強く執着したものだった。
「あんな風に――――…愛されたいな…」
