
🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第18章 静かな憎悪が積もる…
その日は――――…兄の事が頭から離れなかった。
大学までは分かる…
でも、俺はなぜ兄が大学を辞めたのか知らないし…
今、何処で何をしているのか……知らない。
兄弟なのに…
兄弟じゃない――――…
家に帰ると、上機嫌の母が新しい着物が届いたと自慢げに家政婦たちに見せていた。
「天(てん)!おかえりなさい――――会合どうだった?」
「ただいま帰りました。会合は……いつもと同じですね」
母は着物を視線を戻すと――――「どう?」と、俺にも見せびらかすように着物を体に当てて笑う。
「綺麗な着物ですね――――…初夏の花や風景に負けないお色です」
新色なのだと母が嬉しそうに着物を大事に箱にしまう。
