
🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第18章 静かな憎悪が積もる…
家政婦が心配そうに俺と出ていった母を見比べるが――――…
なにも言わない。
「悪い――――着物片付けてくれるかい?それと…母の機嫌を損ねてしまった…美味しいものとお酒で機嫌をとってもらえると助かるよ」
「かしこまりました――――…あの…皇輝(こうき)様は…大学をお辞めになったのですか?」
「――――そうみたいだね…」
「そうですか…」
昔から我が家で働いてくれていた家政婦の榎木 あぐり(えのき あぐり)が心配そうに俺を見る。
我が家の現状を知り尽くしている…ベテラン家政婦である。
もちろん――――兄のことだって知っている。
「天輝様に――――お兄様がいらっしゃったんですか?」
着物を片付けていた他の家政婦が驚いたように榎木さんを見る。
「ええ――――…奥さまも旦那様もお話にはなりたがりませんが…天輝様には3つ離れたお兄様がいらっしゃいます」
