
🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第18章 静かな憎悪が積もる…
榎木は証明しようと部屋を見渡すが――――…飾られている家族写真には俺と両親だけが写っていて…兄の写真はひとつも飾られたいない。
大学でボクシングをしていると…風の噂で聞いたが…続けているのかさえ…俺は知らなかった。
「皇輝様は中学から寮生活で家を出られましたから…知らないのも無理ありません」
「そうでしたか――――…3つ違いと言うとこは…大学を卒業したら…お戻りになる……の……ですか?」
家政婦の一人が会話の流れに沿って…疑問を口にしたが――――…家の雰囲気…さっきの母の様子から――――…両親と兄の不仲を察した。
「どうでしょう――――兄とは音信不通なので…なんとも」
そして、家政婦の表情から――――“帰ってこない方が平和かも”と、見てとれた。
ただ――――榎木だけは…心配そうに俺のかおを見ていた。
