🕯️🕯️悪夢の神様2🕯️🕯️
第24章 ガーベラ
しかし、この部屋で花瓶を見かけたことがない…
明日――――…家政婦さんに頼もう…
でも、このまま放置ってかわいそう…
私は花束を持ち上げカウンターから場所を移してあげようとした――――――――…
と、次の瞬間
オレンジのガーベラに指先が触れた…
――――パリン!
頭のなかで…薄い氷の膜が割れる音がした!
ガタッ…コロコロ――――…
持っていたミネラルウォーターが手から滑り落ち…床に落ち――――転がる。
「えっ?――――え?」
音の後…頭の中の霧が晴れた。
「なんで……私……ここにいるの?」
ぶわっ――――と、記憶が繋がりだす!
「皇輝(こうき)…さん…」
私はガーベラに触れながら――――夢に出てきたガーベラの声が皇輝さんだったと思い出す!
「なんで?なんで――――…皇輝さんのことを…忘れてたの?え?ここ……なんで、おばあちゃんの家から…出たの?」
すると、ここに住むまでの経緯が走馬灯のように頭に流れ込む!
「……私から…家を出た?」
頭を押さえながら……自分の言動に不信感しかない!