
ペニクリを愛して
第2章 ニューハーフの扉
夜も更けてきたので
そろそろお店を出ましょうかという
時間となった頃、
「京平ちゃん、
今夜はゆっくりできるんでしょ?」と
冴子さんが耳元で囁きました。
「はい…」
そう返事をしたものの、
私はワインに酔ってしまい
睡魔に襲われ、
意識が飛びかけていたのです。
冴子さんに腰を抱かれ
タクシーに乗り込んだところまでは
かろうじて覚えていますが
その後の事は
まったく記憶にありませんでした。
次に私が意識を取り戻したのは
ベッドの中でした。
見覚えのないベッド…
見知らぬ室内を見渡して
しばらくは何がなにやら
わからない状態でした。
