ペニクリを愛して
第4章 運命の再会
「そう…私って成長してないのよ…」
変わらぬ容姿を褒めたつもりだったが
彼女は女としても陸上選手としても
未熟なのだと悲観した。
「あっ、そんなつもりで言ったんじゃなく…」
私は慌てて前言を取り消した。
「いいのよ。別に気にしないわ…
それよりもあなた、
どうして女なんかに?」
先輩の問いかけに
私は以前から体は男性だったけど
心は女性だったのだと白状した。
「そうなんだ~、
じゃあ私が筆下ろしをしてあげたのは
とっても貴重な体験だったってことね
あなたが男性の時にHできてよかったわ」
そう言いながら彼女はクスクスと笑った。
「ええ。私もそう思います。
でも、あの時は本当に感激したんです。
私みたいに粗末なペニスでも
性行為出来るんだと打ち震えましたもの」
彼女はうんうんと肯きながらも
「それにしてもやっぱり驚きだわ
あの頃も確かにイケメンと言うよりは
可愛い顔立ちだなあと思っていたのよ
でもほんとに
女になろうとしてるなんてねえ…」
二人してその後の会話が続かず
しばらく沈黙の時間があったが
彼女がおもむろに
「ねえ、セックスの相手って
やっぱり男?」と
興味本位で聞いてきた。