短編 姉と弟 世界で一番身近な女
第1章 姉と弟
素っ裸というシチュエーションに
興奮しているせいか
いつも以上に終焉は早かった。
画面では女がモザイクの中で、
男のイチモツを咥えて
頭を上下に振っていた。
特別刺激的なシーンでもなく
AVはほんのプロローグだったにも関わらず
大介の肉筒の先からは
大量のマグマが噴出した。
萎んでゆく己の肉棒を
ティッシュで拭いながら
大介はほんのちょっぴり
自己嫌悪に陥っていた。
高3の夏が過ぎ去ろうとしていた。
悪友グループの中から一人、また一人と
童貞を卒業していった。
大介は童貞を卒業するどころか、
未だかつて女性と交際したこともなかった。
AVの女のような彼女ができて
自分の好む快楽を与えてもらえたら
どんなに素敵だろう…
フェラチオってどんな気分なんだろう?
いや、それ以上に
女の体に自分の肉体の一部が埋没するって
どんな感じなんだ?
オナニーよりも
気持ちいいのだろうと思ってはいるが、
運動会のフォークダンス以来、
女性と手を握ったこともない大介には
想像すらすることもできなかった。