白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第12章 令嬢 緑川志保
「直樹、パーマかけたんだ?」
「ああ、どうだい。似合うだろ?」
他の直樹の友人3名も髪を染めたり、
パーマをかけていた。
なんだかすごくおしゃれ・・・
それに比べて僕は
ジーンズにトレーナーといった
ごく普段着・・・
こんな服装で来ちゃったけど。
そう言う僕に直樹は
「いいのいいの、その方が俺が目立つから」
そう言ってケラケラ笑った。
あいかわらず失礼な奴。
「さあ、もう時間だ。店に行こうぜ」
僕たちは直樹を先頭にゾロゾロと歩き始めた。
「女性陣はまだ着てないようだな」
小洒落た居酒屋の小さなパーティールームだ。
おい、待てよ。僕たち未成人だよ?
そう問いかけると
「なに堅いこと言ってんだよ。
なにも酒を飲もうって訳じゃないんだ。
こういった店のほうが
和気あいあいと盛り上がるんだよ」
と直樹が笑った。
まあ、いいか。
ジュースなどのソフトドリンクも
充実している店のようだし・・・
さあ、とりあえず座ろうぜ。
そう言われて僕は直樹の横に腰を落とした。