白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第3章 里中先輩
『どうか、理恵ちゃんと
ペアになれますように・・・』
僕が引いたくじは、7番だった。
ラッキーセブンだ。
どうか、理恵ちゃんも
7番でありますように・・・
こんなに祈ったのは、
生まれて初めてだった。
だが、僕の祈りも届かず、
理恵ちゃんは3番くじを引いてしまった。
まったく人生って甘くないもんだ。
女子の7番は副部長の里中さんだった。
「がんばろうね。順也くん」
「よ、よろしくお願いします」
「あれえ、私と組むのイヤだった?」
「そ、そんなことないっす」
「そっ。よかった。
順也くんは男子なんだから。
しっかりエスコートしてね」
テニスで真っ黒に日焼けした笑顔の
里中さんは、きれいなお姉さんって感じで、
見つめられるとドキドキしてしまった。