白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第3章 里中先輩
「わかってるわ。
でも、今はここまで。
一旦、みんなのところにもどりましょ。
もし、続きがしたいのなら、
深夜一時にみんなが寝静まってから、
ここに来て・・・。いい?」
「来ます!絶対ここへ来ます!」
もう、僕のスケベな気分は
誰にも止められそうになかった。
みんなのところに戻ったら、
部長に
「なかなか戻ってこないから心配したぞ」と
叱られてしまった。
しかし、パートナーの里中さんが
「すいません、道に迷ってしまって・・・」と
頭を下げてくれたので、
それ以上のお咎めはなかった。
その夜は、なかなか時間が進まなかった。
みんなは、今までの練習の疲れと、
肝試しではしゃいだせいか、
大きないびきで爆睡していた。
そして・・・
待ちに待った時間がやってきた。
僕は、みんなを起こさないように、
そっと寝床を抜け出した。
今夜の記憶を頼りに、
暗い道のりを駆け足で例の場所へ急いだ。