白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第18章 最終章
初めて射精したときの衝撃は、
今でも鮮烈に覚えている。
腰がカクカクと揺れた瞬間、
過去に経験したことのない快感が
脳天を突き抜けた。
『ほんとに驚いたよなあ。
あんな白いモノが飛び出すんだもん』
ペンはスラスラと進んだ。
わずか1週間で「白い雫(しずく)」を
書き上げた。
しかし、官能小説としてはイマイチだ。
序章が長すぎる。
おまけにエロさが足りない。
でも、この作品を世に出したい。
僕は恐る恐る、原稿を吉岡に渡した。
吉岡は読み終わると、
原稿をクズカゴに投げ捨てた。
「ダメですよ!こんなの!
まるで先生の日記じゃないですか!」
僕は仕方なく、吉岡の希望どおり、
別の「白い雫(しずく)」を
大急ぎで書き上げた。
吉岡は、かなりご立腹だったようで
磯崎が原稿を受け取りにきた。