
白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第18章 最終章
理恵の仕事は相変わらず順調だった。
それどころか、
さらに分校を増やそうかという勢いだった。
経営のことについて、
さらに勉強しようと書店を訪れてみた。
思うような書籍が無く、
諦めかけて書店を後にしようとした。
その時、1冊の小説が目に付いた。
「?」
見覚えのある名前に目を留めた。
「江本順也?・・・順也くん?」
手に取り、パラパラと内容に目を通す。
順也、理恵、直樹、里中・・・
知っている名前が連なっている。
『これ・・・順也くんが書いたんだわ!』
迷わず、その書籍を購入した。
内容は女性が読むには刺激すぎた。
しかし、理恵は読了した。
順也くん・・・・
涙が溢れて止まらなかった。
