白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第18章 最終章
そう言って手紙を僕に手渡してくれた。
差出人の名前を読んで、僕は仰天した。
『川原理恵』
えっ?うそ?ほんと?
急いで、中の便箋を取り出し、読んでみた。
「なんて書いてあるの?」
磯崎が興味深そうに尋ねる。
『拝啓 江本順也様
あなたの書かれた「白い飛沫(しぶき)」を
読ませていただきました。
あなたは○○中学で
私と同級生だった順也くんですよね?
あなたの書かれた官能的な文章に
赤面しながらも、
あの短かった中学校の思い出を
懐かしく感じました。
あれから30年、
順也くんにも家族ができて
幸せな家庭を築かれていることでしょうから
ご迷惑かと思いますが・・・
順也・・・
できることならもう一度会いたい・・・
この手紙があなたの元へ届くことを信じて、
そしてあなたが
同級生だった江本順也くんだと願い
連絡先を書かせていただきます。
090-△△△△-○○○○』
「会いたいって・・・
会いたいって書いてあるよ!!」
「よかったですね先生。・・・・
これで私と先生の
ラブラブな関係も終わりですね」
磯崎の頬に一筋の涙が流れた。