白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第10章 順也と理恵 それぞれの歩む道
当日、駅の改札で待ってると、
野口さんと島本さんがやってきた。
制服と違いミニスカート姿の二人は眩かった。
平日の朝だから電車はラッシュだった。
僕と野口さんは
イヤでも体が密着してしまった。
野口さんの胸が、僕の胸に押しつぶされる。
ムニュムニュした感触が気持ちいい
列車が揺れると
「キャっ」と小さな声を出し
僕にしがみついてきた。
ぼくは咄嗟に野口さんを抱き寄せた。
直樹はというと
島本さんを抱きしめ
顔を真っ赤にしている。
案外、純情な奴なのだ。
遊園地前の駅では
サラリーマンの人たちは下車しないから
降りるのに一苦労した。
でも混みあった車内のおかげで
僕たちは親密度を深め、
下車後は当たり前のように手を繋いでいた。
遊園地では、お決まりの
ジェットコースターに乗り、
お化け屋敷では野口さんがすごく恐がって僕にしがみついてきた。
こうして体を寄せ合い密着していると
野口さんがとても可愛くて、いい女に見えた。