白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第10章 順也と理恵 それぞれの歩む道
ホテルにチェックインして部屋に入ると、
そこはオーシャンビューで
バルコニーから海に沈む夕日が
きれいに見えていた。
「うわぁ~、きれい。
ありがとう素敵なホテルよ」
香織の笑顔を見ているだけで、
もう幸せ一杯な気分になった。
よかった、奮発して。
でも予算オーバーだったので、
里中先輩に少し(いや、かなり)
お金を借りてしまったから、
明後日からまたバイト生活しなくっちゃ。
「ほんとにホテル代、
折半しなくてもいいの?」
「ああ、この日のために
バイトがんばったんだから・・・
この二日間は
思いっきり僕に甘えていいんだよ」
少しキザっぽく言ってみた。
「順也…好き」
香織が僕に抱きつく。
エレクトしてしまった息子が
香織の下腹部をノックする。
「まあ、順也ったら…」
夜まで待てない!
この場で香織をベッドに押し倒そうか。
いやいや、
お楽しみはもう少し後にとっておこう。
「お腹…空かない?」
気分をHモードから切り替える。
「そうね、そういえばペコペコ。
昼間あんなにはしゃいだからかなあ」
少し早いけど夕食にしようってことで
僕らは二階のレストランへ向かった。
ほんとは最上階レストランで
クールに決めたかったけど、なにせ予算が…