白い飛沫(しぶき) ~初恋物語~
第10章 順也と理恵 それぞれの歩む道
とりあえず二階の
レストランのバイキングで腹ごしらえだ。
「うわぁ~バイキングなんだ。
私バイキング大好きよ」
ちゃんと僕を盛り立ててくれる
香織のやさしさが温かかった。
「さあ、どんどん食べようぜ」
ガツガツ食べる僕に対して、
香織は少食だった。
「んっ?おいしくない?」
「だって、
夜…お腹ぽっこりじゃ恥ずかしいもん」
「そんなの気にしなくてもいいよ。
若いんだから消化も早いって」
ちょっと間抜けな返事をしてしまった。
ロストバージンを控えた女性の
ナーバスさに僕は
気付いてあげることができなかった。
食事を終え、部屋にもどると
外はすっかり闇に包まれていた。
「夜の海もロマンチックねえ」
遠くに漁火の明かりが揺れていた。
「香織、お風呂に入ろうか?」
食事を終えたおかげでスタミナ全開!
早く抱きたくて仕方がなかった。
「二人で・・・入るの?・・・」
待ってました。そのセリフ。
「そうだね。2人で入ろうか」
「う~ん。でも体をしっかり洗いたいし、
バスタブもあまり大きくないから
2人は無理なんじゃないかなあ」
え~っ(泣)そりゃないよ。
「お風呂は、また今度ね」
お先にどうぞ、と言われ
渋々バスルームに入った。