神の口笛
第10章 10
「もういい、そのくらいに…――」
しかしエマはペニスの根元をきゅっと握り、先端で舌を何往復もさせる。
いつかステラに教わった通り、丁寧に愛撫した。
潤んだ瞳はまぶたが閉じたり、またグレイを見上げたりしている。
「エマ…だめだ、もうやめろ。」
エマは「んん…」と声を漏らし、それからまたグレイの膝にまたがった。
グレイが秘部に手をやると、とろとろに溶けた生暖かい愛液が指に絡みつく。
エマが腰をゆっくりおろす。
甘えたような、欲情にすべてを委ねているような、たまらない表情でグレイを見つめながら…――
「ん、あぁあ…っ―――」
先端が繋がった。
膣壁は、エマの快感を知らせるようにきゅうきゅうと締め付ける。
時折びくびくと反応しながらも、すべてが挿入った。
グレイに抱き着くような姿勢で口づけし、小さな体を震わせるその姿にグレイは気を失いそうになった。
「エマ…っ」
「んぅうっ…ぁあっん…」
下から思い切り突き上げるとエマもまた、自ら腰を浮かせて喘いだ。
ゆっくりエマを可愛がるつもりでいたのだが、もう…駄目だ…――。
「エマ。…出してもいいか」
「うんっ…はぁっ…出し、て…っぁあんぅ――」
激しいピストンのあと、エマの膣内にすべてが放出された。
繋がったまま横にならせてペニスを抜くと、どろりと白濁した精液が卑猥に漏れ出た。
…
これから数か月に一度の逢瀬ができるのだと知り、エマはよりいっそう熱心に任務をこなすようになった。
そんなある日の夕刻、ざあざあと降りしきる雨の中レイモンドがやってきた。
「やあ」
「どうしたの?」
なにもこんな日にまで来ることないのに…と思いながらもエマは問うた。
「見せたいものがあってね」
レイモンドははにかんで言った。