神の口笛
第12章 最終章
ふたつ年上のグレイは今年退任となるが、本人の志願により予備兵としてあと2年間残るのだと言う。
「2年って、エマの退任までって事じゃん。絶対そうだよ!」
ステラが自分の事のように興奮している。
「ステラはここを出たらどうするの?」
「私は…う~ん。小さな村で暮らしたいな。戦の事を忘れられるような、静かなところで毎日お祈りしたい。」
根っからのクベナ教信者であるステラらしい考えだった。
「結婚は?」
「したいよ、そりゃあね!」
なんと彼女は、女兵士から大人気だったあのベンと今でも関係を持っていた。
「彼と…?」
「私がそう思ってるだけで、ベンは分からない。でも、ちゃんと好きだって言ってくれるのよ?」