神の口笛
第4章 4
「エマは立派すぎるくらいだよ。そのままでいいんだ。」
優しく両手を広げるルイに、エマも応えた。
「ルイはSEXをしたことがある?」
「ははは、急だな。僕ももう23だからね、少しはあるよ。」
「私は……。」
もちろんエマがヴァージンということを知ってはいたが、深刻な表情のエマが愛おしかった。
「SEXがどんなものなのか気になる?」
「う、…うん…。」
ルイは慈愛のこもった瞳で微笑み、テントへ戻っていった。
…
最終日、つらい訓練も今日までという事で、どの兵士も最後の力を振り絞った。
幸い、大きなケガ人や不慮の事故なく合宿が終わりそうだ。
夜、医療テントのわきではソフィアと男兵士が身を寄せ合っていた。
「ムラムラしてるの?ふふ…」
「そりゃあ、ソフィアを目の前にしたら誰だって…なぁ、早くあっちへ行こう」
「だぁめ、焦らないの。」
ソフィアが男の唇に指をあてて制すると、男はたまらない様子で彼女の腰を引いた。
「あ~あ、イチャイチャしちゃって。でも私も、そろそろ人肌が恋しくなってきたなぁ。」
つまらなそうに頬杖をついたステラが言った。
エマには”人肌恋しい”というのがどんなものか分からなかった。
「男と一緒に眠りたい?」
「まぁ…そうね。エマとは意味が違うかもしれないけど。」
「…?ムラムラするの?」
「はっきり言わないでよ」
「男はどんなときムラムラする?」
「ん~。やっぱり魅力的な女を見た時だろうね。」
「どういうの?」
「まぁよく言われるのは、セクシーな人とか。」
「せくしい?」
「うん。おっぱいやお尻が大きいとか、そういうのも”SEXしたい”って思わせる対象だと思うよ?」
そういえば、ソフィアはエマの倍くらい乳が大きい。
あのときグレイはソフィアにムラムラしたのかな…?
ルイに聞いてみようと思い、エマは席を立った。