神の口笛
第7章 7
時折グレイの指先が先端に近づき、エマは体をヒクつかせながら口づけた。
「んあ……はあ……」
2人の唾液が混ざり合い、いやらしい音を発した。
グレイの舌がより深く差し込まれた時、乳房も大きく包み込まれる。
「んっ…!…はぁあぁんんっ…―――」
先端をきゅっと挟まれた瞬間、エマは舌を絡ませ合ったままビクビクと果てた。
離した唇に、とろりと糸が引く。
惜しむように今度はグレイの舌が迎えに行き、エマはまた余韻で体をピクリと反応させた。
やがてすうすうと静かな寝息をたてながら眠るエマの隣で、またグレイは悶々とした夜を過ごす。
”毎日のように性欲が掻き立てられて、オーガズムを欲する”…
”SEXして初めて、しっかり芯まで満足できる”…
オリバーの言葉が脳内にこだました。
…
「ゼンギって何?」
ステラと食事中、エマが突然言った。
「…はい??なんで急に前戯…」
「さっき、あっちで話してるのが聞こえた。」
「なんて?」
「昨日のSEXはゼンギがなくて最悪だった、って。」
「なるほどね…。前戯っていうのはつまりその…SEXの前にね、キスしたり、愛撫したり、そういう事」
「アイブってなに?」
ステラは短く溜め息を吐き、頭をかかえた。やがて小声で答えた。
「キスもそうだし。おっぱいとかあそこを…触ったり舐めたりする事よ!んもう…こんなこと言うの恥ずかしいんだからね」
「…。」
エマはなにか考え込むような、何も考えられないような、なんとも言えない表情で固まっていた。
「どしたの?なによ?」
「…。SEXしなくても、ゼンギだけする事もある?」
「う~ん。考えづらいわね。」
「そうなんだ…。」
「そりゃあ、SEXのための前戯だもん。そもそも。」
「ふぅん…。ゼンギがないと嫌?」
「嫌!!でも前戯しない男なんてザラにいるよ?そういうのはハズレ。」
「ステラは誰とSEXがしたい?」
「ふふっ♪今夜、見せてあげるよ。」
食堂を出て、ステラについていく。
大広間の隅にあるローテーブル席に向かって、ステラが指を刺した。
「ほら、あそこに大きい人いるでしょ?あれがベン。今いっちばん抱かれたい人よ。」