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神の口笛

第7章 7


生成りのシャツを着ているだけなのに、まるで鎧をまとっているかのように大きくて硬そうな男だった。

「どうしてベンとしたいの?」

「一度だけSEXしたけど、前戯が丁寧なの。すっごくね。アレも大きいし、腰振りもテクニシャン。だからああして大人気でしょう?」

たしかに、湯浴み上がりのベンの周りには女兵士たちがキャイキャイと押し寄せている。


「腰振り…?」

「ああ…それはまた教えてあげる。」

「…。ベンのことが好き?」

「好き…まぁそうね、好きかな。」

エマが言う好きとはおそらく違うが、嘘はついてない。とステラは自分に言い訳をした。







ベッドに入り、グレイとの情事を思い返す。

あれが前戯…?

でも、SEXなんてしていないし、しそうもない。

いつもエマが果てると、グレイは優しく寝かしつけてくれる。

やっぱり自分たちは変なのだろうか。









白の季節も終盤に差し掛かり、今日はここ数年で一番の豪雪となった。

こうなると訓練は休みになり、皆それぞれの棟でどこか浮かれながら過ごす。


夕食を済ませて湯浴みに行くと、暇つぶしなのか女兵士たちは長風呂しながら噂話に花を咲かせていた。

輪の中にはビアンカもいて、エマは無視するように体を洗った。



「アソコの毛が薄いのって、なんか子供みたいで男は燃えないだろうね〜」

わざとエマに聞こえるように大きな声でビアンカが言った。

「ちょっ…!ビアンカ、声大きいって」

まわりの女兵士たちもどこか笑っている声色だ。



「…。」

その気はなくとも、自分のそこに目が行く。

「エマ、気にすることない。無視無視。」

隣で言うビアンカのそこには、頼もしく黒々と陰毛が生え揃っている。

「私のって…変?」

「ぜ〜んぜん変じゃないし。エマは髪も色素が薄いんだから、下だってそのくらいが普通。」

「ふぅん…」

「西棟の友達はブロンドヘアでね、下の毛も金髪だよ?クリトリス見えちゃうくらいなんだから」

エマを落ち込ませないためにか、ステラがそう小声で言った。

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