雨の降る夜は傍にいて…
第4章 台風12号MUIFA(ムイファ)
40 不倫…
「だから、全部オーケーなんだよ」
「え…」
全部オーケーって…
「だから、もう、俺は…」
そう呟きながら左手を見せてきた。
あっ、指輪がない…
浩司の左手薬指に指輪がないのだ。
「えっ、そうなのっ」
思わず驚きの声を漏らしてしまう。
「ああ、うん…
もう5年になるかなぁ…」
そしてやや斜め上を見つめながら、そう呟いたのである。
「5年……て…」
5年前に離婚した、という事なのか…
「ああ、うん、もう5年経つかな…」
まるでわたしの心の声が聞こえたかの様にそう呟いたのだ。
離婚……したのか…
そうか、離婚したんだ…
不倫じゃなくなる…
不倫ではない…
これからは、正々堂々とお付き合いができるのか…
「そ、そうなんだ…」
わたしの胸が急激に騒ついてきた。
あの頃は…
この不倫という言葉に悩み、苦しんだ時期があった…
そう、浩司と付き合い始めた11年前のあの頃はわたしも若かったのだ。
当時はある意味、若さの勢いで浩司と付き合いを始めた。
そしてわたしは直ぐに彼の魅力にどっぷりと魅き込まれ、魅了されてしまい、不倫という現実に悩み、苦しんだ時期があったのだ。
いや、浩司との付き合った時間、愛し愛されていた時間の全てが不倫の悩み、苦しみ、葛藤の時間でもあったといえた。
そう、あの頃はまだ、若かったのだ…
だが、その不倫という現実に悩まされ、苦しみながらも、開き直り、そして慣れたのである。
それが今のわたしの恋愛観である
都合の良い時に逢えて愛し合えればよい…
という、今のわたしの想いの礎になっているのだ。
それらの過去の葛藤や苦しみはもう無いというのか…
わたしの恋愛観が…
恋愛観とは違うカタチになるのか…
不倫ではなくなるのか…
「カミさんに不倫されちゃってな…
笑えるだろう…
散々好き勝手やってきたら、しっぺ返しを受けて、やり返され、出ていったんだ…」
と、やや自虐的に云ってきた。
「じゃ、美香は…」
「うん、美香はもう大人だったし、意外と冷静だったなぁ…
とりあえず静観した後に、中立の立場を取ってる…」
「そうなんだ…」
やはり9年間という時間は長いのだ…
「だから、全部オーケーなんだよ」
「え…」
全部オーケーって…
「だから、もう、俺は…」
そう呟きながら左手を見せてきた。
あっ、指輪がない…
浩司の左手薬指に指輪がないのだ。
「えっ、そうなのっ」
思わず驚きの声を漏らしてしまう。
「ああ、うん…
もう5年になるかなぁ…」
そしてやや斜め上を見つめながら、そう呟いたのである。
「5年……て…」
5年前に離婚した、という事なのか…
「ああ、うん、もう5年経つかな…」
まるでわたしの心の声が聞こえたかの様にそう呟いたのだ。
離婚……したのか…
そうか、離婚したんだ…
不倫じゃなくなる…
不倫ではない…
これからは、正々堂々とお付き合いができるのか…
「そ、そうなんだ…」
わたしの胸が急激に騒ついてきた。
あの頃は…
この不倫という言葉に悩み、苦しんだ時期があった…
そう、浩司と付き合い始めた11年前のあの頃はわたしも若かったのだ。
当時はある意味、若さの勢いで浩司と付き合いを始めた。
そしてわたしは直ぐに彼の魅力にどっぷりと魅き込まれ、魅了されてしまい、不倫という現実に悩み、苦しんだ時期があったのだ。
いや、浩司との付き合った時間、愛し愛されていた時間の全てが不倫の悩み、苦しみ、葛藤の時間でもあったといえた。
そう、あの頃はまだ、若かったのだ…
だが、その不倫という現実に悩まされ、苦しみながらも、開き直り、そして慣れたのである。
それが今のわたしの恋愛観である
都合の良い時に逢えて愛し合えればよい…
という、今のわたしの想いの礎になっているのだ。
それらの過去の葛藤や苦しみはもう無いというのか…
わたしの恋愛観が…
恋愛観とは違うカタチになるのか…
不倫ではなくなるのか…
「カミさんに不倫されちゃってな…
笑えるだろう…
散々好き勝手やってきたら、しっぺ返しを受けて、やり返され、出ていったんだ…」
と、やや自虐的に云ってきた。
「じゃ、美香は…」
「うん、美香はもう大人だったし、意外と冷静だったなぁ…
とりあえず静観した後に、中立の立場を取ってる…」
「そうなんだ…」
やはり9年間という時間は長いのだ…