雨の降る夜は傍にいて…
第5章 秋冷え…
66 まさかの…
「……………なんですよ…」
「…えっ、あっ、すいません、もう一度お願いします……」
この不惑のシチュエーションに、全くわたしの頭の中には、奥様の言葉が入ってこないのである…
「あら、ごめんなさい、わたし早口過ぎたかしら…」
そんなわたしの様子に奥様は、やや違和感の笑みを浮かべながら、もう一度話しをしてくる。
「実は、美香が………」
……美香は、美紀谷先生に教えて欲しい、だから先生の高校に入りたい…
と、奥様は云ってきたのだ。
「えっ…」
それは正に、寝耳に水の話しであった。
確かに以前、1度だけ、わたしの高校に入って欲しい、とは思った事はあったのだが、全日本アンダー15に選抜されてからはその思い出は消えたのである…
なぜならば全日本アンダー15選抜という事は、その世代での日本代表なのである、そして実は美香ちゃんはこの秋に台湾で開かれる
『アンダー15アジア大会』
にも選手として出場予定なのだ。
それは、つまり、将来の未来のエリート候補であり、様々な可能性を秘めているという事を意味するのである…
「まさか…、だって…」
既に沢山の全国の強豪私立高校からスカウトが来ているのだ…
と、奥様も、美香ちゃん本人からも訊いていた。
だからこその、まさか…なのである。
「あの全国最強のインターハイ6連覇中の○○高校や、関東最強の△△高校からもお話し来ているんですよね…」
「はい、お陰さまで…」
奥様は少し誇らしげに返事をする。
「なのに…」
なのに…で、あるのだ。
わたしは言葉を失っていた。
特にインターハイ6連覇中の○○高校ならば、間違いなく入学した瞬間から日本代表の様なプレイヤーといえる筈なのである。
しかもインターハイ6連覇中だけではなく、高校3大タイトルと云われる全ての大会に常に優勝に絡んでいる様な高校なのだ。
その選択肢を断るという事ははあり得ないのである…
「はい、でも美香はどうしても美紀谷先生に教わりたいって言うんです…」
まさか…
まさかであった…
まさかの美香ちゃんの言葉であったのだ…
「美紀谷先生のいる高校に進学したいって…」
だが、そう話してくる奥様の目からは意外にも、失望の類いの色が見えなかったのである…
「……………なんですよ…」
「…えっ、あっ、すいません、もう一度お願いします……」
この不惑のシチュエーションに、全くわたしの頭の中には、奥様の言葉が入ってこないのである…
「あら、ごめんなさい、わたし早口過ぎたかしら…」
そんなわたしの様子に奥様は、やや違和感の笑みを浮かべながら、もう一度話しをしてくる。
「実は、美香が………」
……美香は、美紀谷先生に教えて欲しい、だから先生の高校に入りたい…
と、奥様は云ってきたのだ。
「えっ…」
それは正に、寝耳に水の話しであった。
確かに以前、1度だけ、わたしの高校に入って欲しい、とは思った事はあったのだが、全日本アンダー15に選抜されてからはその思い出は消えたのである…
なぜならば全日本アンダー15選抜という事は、その世代での日本代表なのである、そして実は美香ちゃんはこの秋に台湾で開かれる
『アンダー15アジア大会』
にも選手として出場予定なのだ。
それは、つまり、将来の未来のエリート候補であり、様々な可能性を秘めているという事を意味するのである…
「まさか…、だって…」
既に沢山の全国の強豪私立高校からスカウトが来ているのだ…
と、奥様も、美香ちゃん本人からも訊いていた。
だからこその、まさか…なのである。
「あの全国最強のインターハイ6連覇中の○○高校や、関東最強の△△高校からもお話し来ているんですよね…」
「はい、お陰さまで…」
奥様は少し誇らしげに返事をする。
「なのに…」
なのに…で、あるのだ。
わたしは言葉を失っていた。
特にインターハイ6連覇中の○○高校ならば、間違いなく入学した瞬間から日本代表の様なプレイヤーといえる筈なのである。
しかもインターハイ6連覇中だけではなく、高校3大タイトルと云われる全ての大会に常に優勝に絡んでいる様な高校なのだ。
その選択肢を断るという事ははあり得ないのである…
「はい、でも美香はどうしても美紀谷先生に教わりたいって言うんです…」
まさか…
まさかであった…
まさかの美香ちゃんの言葉であったのだ…
「美紀谷先生のいる高校に進学したいって…」
だが、そう話してくる奥様の目からは意外にも、失望の類いの色が見えなかったのである…