雨の降る夜は傍にいて…
第5章 秋冷え…
67 理由 ①
「美紀谷先生のいる高校に進学したいって…」
だが、そう話してくる奥様の目からは意外にも、失望の類いの色が見えないのだ。
そしてわたしは、それに少しだけ違和感を感じてはいた…
だが、話しの内容のレベルが違うのだ、そんな違和感など気にならない程の重大な内容なのである。
全国最強の高校を切り捨てて、わたしのようやく全国デビューを果たせた様なレベルの、そしてこんなわたしが指導している高校を選ぶ…
それはあり得ない程の重大な、いや、事件と呼べるレベルの内容の類いの話しなのである。
わたしはふと、彼、浩司の目を見ると、不思議な目の色をしていたのであった。
えっ、昂ぶりなの…
いや、不惑なの…
ま、迷いなのか…
浩司はそんな複雑な顔と、目の色をしていたのだ。
え、なに…
その不惑さは、父親としての感情なの?…
それとも不倫相手のわたしの男としての存在価値からの不惑な色なの?…
どちらとも取れるような、取れないような、複雑な色の表情といえるのだ。
「美香は……」
…今のわたしがいるのは、去年、美紀谷先生にアドバイスを受けてから、つまり、あの時に教えてもらったアドバイスがきっかけでプレイスタイルが変わって、そして今があるのだ…と。
それから美紀谷先生の現役時代の動画を調べ、それを見ながら、そしてたまに先生からワンポイント的なアドバイスを受けたから今のわたしがあるんだ…
って、そう言うんですよ。
「わたしのアドバイス…」
「はい、でも、わたしも美香の事を小学生時代から見続けてきましたが、確かに、昨年、先生からのアドバイスを受けてから劇的に変わったと思っています、あの時からなんですよね…」
確かに同じガードポジションで、左利きで、スピードがあって、まるで昔の自分を見ている様に感じ、当時の自分を思い返し、その当時の迷いや、改善点をあの時アドバイスをした事は覚えている…
「それがきっかけで今の美香があり、そして全日本アンダー15にまで選抜されて…
私も、それは美紀谷先生のお陰だって思っています」
「あ、いや、それは…
美香ちゃんの素質とセンスと努力であって…
わたしは、あまり…」
わたしは戸惑いを隠せないでいた…
「美紀谷先生のいる高校に進学したいって…」
だが、そう話してくる奥様の目からは意外にも、失望の類いの色が見えないのだ。
そしてわたしは、それに少しだけ違和感を感じてはいた…
だが、話しの内容のレベルが違うのだ、そんな違和感など気にならない程の重大な内容なのである。
全国最強の高校を切り捨てて、わたしのようやく全国デビューを果たせた様なレベルの、そしてこんなわたしが指導している高校を選ぶ…
それはあり得ない程の重大な、いや、事件と呼べるレベルの内容の類いの話しなのである。
わたしはふと、彼、浩司の目を見ると、不思議な目の色をしていたのであった。
えっ、昂ぶりなの…
いや、不惑なの…
ま、迷いなのか…
浩司はそんな複雑な顔と、目の色をしていたのだ。
え、なに…
その不惑さは、父親としての感情なの?…
それとも不倫相手のわたしの男としての存在価値からの不惑な色なの?…
どちらとも取れるような、取れないような、複雑な色の表情といえるのだ。
「美香は……」
…今のわたしがいるのは、去年、美紀谷先生にアドバイスを受けてから、つまり、あの時に教えてもらったアドバイスがきっかけでプレイスタイルが変わって、そして今があるのだ…と。
それから美紀谷先生の現役時代の動画を調べ、それを見ながら、そしてたまに先生からワンポイント的なアドバイスを受けたから今のわたしがあるんだ…
って、そう言うんですよ。
「わたしのアドバイス…」
「はい、でも、わたしも美香の事を小学生時代から見続けてきましたが、確かに、昨年、先生からのアドバイスを受けてから劇的に変わったと思っています、あの時からなんですよね…」
確かに同じガードポジションで、左利きで、スピードがあって、まるで昔の自分を見ている様に感じ、当時の自分を思い返し、その当時の迷いや、改善点をあの時アドバイスをした事は覚えている…
「それがきっかけで今の美香があり、そして全日本アンダー15にまで選抜されて…
私も、それは美紀谷先生のお陰だって思っています」
「あ、いや、それは…
美香ちゃんの素質とセンスと努力であって…
わたしは、あまり…」
わたしは戸惑いを隠せないでいた…