禁断の夏合宿
第5章 熟女 里美の誘い
『すまん育美…
悪いが午前中だけでも休ませてもらうよ…』
顧問の桜川先生と
メールのやり取りなんて嘘だった
とにかく1時間でも2時間でも、
あともう少し眠りたかった。
「さあ、朝練するよぉ~」
相川育美の号令に全員が
「はあ~い」と
元気よくプールに向かって駆け出した。
一人、食堂に残った吉本は
大きなあくびを連発した。
「ずいぶんお疲れなんですねえ…」
背後からの声に振り向くと、
センター職員の熟女が
テーブルを拭きながら笑顔を投げかけた。
「まあ…慣れないコーチを
引き受けたものですから…」
さりげない会話のはずだった。
だが、吉本の言葉に対して
熟女が返えしてきた言葉に思わず凍りついた。
「夜の練習も
手とり足とり教えてるんですもの、
疲れるわよねえ~」
「な、なんのことでしょうか?…」
心拍数が一気に跳ね上がった。
平静を装ったつもりなのだが、
言葉が震えてしまっていた。
「先生…就寝するときは
窓のカーテンを閉めないとダメですわよ…」
み、見られていたのか!!?
吉本の額に
汗が一気に吹き出した。