禁断の夏合宿
第2章 夏合宿スタート
「こら!お前たち、
遊びに行くんじゃないんだぞ!」
うるせえんだよ!
バスの後方の座席から
汚い言葉が飛び出した。
「こら!いま、なんて言った!!」
叱りつけようと立ち上がった瞬間、
バスが大きくカーブして
吉本はバランスを崩して
近くの女子生徒に
覆いかぶさるように前につんのめった。
「きゃあ~、先生が抱きついてきたぁ~」
「わあ~、先生いやらしい~」
「変態だ、変態教師だ~」
バスの車内は
蜂の巣をつついたような大騒ぎになった。
「わかった!ごめん!
謝るよ、だからお前たち
ちょっと静かにしてくれ!!」
吉本は胃がキリキリと痛むのを
感じずにはおられなかった。
数時間後、
一行は目的地の青少年センターに辿り着いた。
山間の静かなトレーニングセンターだった。
通常、こういったトレーニングセンターは
他校のクラブと同宿するものだが、
なぜだか今回利用するのは
我が校だけのようだった。