禁断の夏合宿
第7章 男としての意地
午前中の練習ではリンチまがいの事になり
全員ほぼノルマを消化していなかった。
夜はセックスを楽しむにしても
夏合宿の目的である体力の増加を
満たさなければ
本来の顧問である桜川先生に
申し訳が立たない。
午後のトレーニングを前に
その事をしっかりと訓示すると
夜の楽しみのために
全員がハイピッチでトレーニングに励んだ。
只一人、前任の主将である相川が
この場におらずに
厨房で里美にこき使われているのだと思うと
吉本の気持ちは落ち込んだ。
その頃、厨房では…
「あんたたちさあ、
男を取り合うのもいいけど
あの先生でいいわけ?」
もっといい男なんてゴロゴロいるのにさと
里美は育美と洗い物をしながら
ペチャクチャと話しかけてきた。
「私、ずっと先生に片思いだったんです
何て言うのか、先生が赴任してきたときに
一目見て恋に落ちちゃったんです」
「ふぅ~ん…一目惚れねえ…
普通、そういう恋って
成就しないもんだけどねえ」
ほっておいてよと
カチンときた育美はゴシゴシと皿を洗った。
「そんで?
ゆくゆくはあの男と結婚するつもりなの?」
里美の興味本位の質問は止みそうもなかった。
『結婚かあ…』
先生、私を迎え入れてくれるのかしら…
教師と生徒の恋愛って、
これから先、いろんな障害があるんだろうなあ
今さえよければそれでいいと思っていた育美は
現実問題を考え始めていた。