片恋は右隣
第2章 ワンナイトじゃないんですか
そんなわたしを探るように今度はつんと指先でつついてくる。
そうされると、溶けそうになった。
彼の顔が見えないからか、素直過ぎるほどに体が反応した。
それにしても、マンションに入ったなり、玄関先で襲われるとは思ってなかった。
壁際についている指先が滑っては支えなおす。
そんなわたしに彼が愛撫を続ける。
ちっとも止みそうにないそれに、段々と焦りが滲んだ。
こんなときに頼りになるはずの、フワフワしてた心地よい酔いはどこへ行ってしまったんだろう?
たんに生々しい感覚だけがクリアになって自分を襲う。
「こんな、の……これっきりだから……アッ」
返事の代わりに乳首を優しく捏ねられ、脇から寄せた乳房を柔らかく揉んでくる。
性感帯を刺されるみたいな快感に戸惑った。
「震えてる。 なんで?」
「さ、最近なかっ……たから」
もちろんそれもある。
顔が見えないせいもある。
けれども。
まさか十年来片思いしてた相手にこうされてるせいかも、なんて言えなかった。
「彼氏いないんだ?」
短い質問を続ける彼の意図が分からなかった。
そもそも家庭持ちの倉沢さんにそんなこと関係ない。
そう言おうとすると、開かれたジーンズに入ってきた手で言葉を塞がれた。
「あっ……はあ」
「もうビショビショ。 ……ここでしていい?」
大きな手の、何本かの指先が秘裂に割り込む。
ヌルヌル撫でる動きがすぼまった花芯を上手に見付け、指の間にそれを挟まれた。
「……あっそこ……いや」
目が眩み、思わず全身をブルッと震わせる。
崩れそうに腰を落としかけて。
そしたらもう片方の手で胸を押さえられる。
避けようと腰を振ると、動きが激しくなる。