片恋は右隣
第2章 ワンナイトじゃないんですか
それと比例して、溜まってくばかりの昂りに体を震わせた。
「三上さん……やっぱり感じやすい。 すげ可愛い」
どこか上擦った口調だった。
わたしの耳に彼の頬があたり、入口を探っていた。
濡れすぎていたわたしの膣が彼の肉の先を受け入れ、ぐうっと拡げられる。
「ひ……っ……!!」
こじ開けられる肉の圧力にくぐもった声が出た。
床で支えていた手を固く握り、するとズルズルと入ってくる。
わたしの内側を掻き分けて。
楽しめばいい。
これきり、一度きりの関係なんだから。
床に突っ伏すように上半身を預け、無理矢理自分にそう言い聞かせた。
「あっ、あ····締まるっ……」
セックスでまともに話せないのは初めてだった。
「んぅっああ、あうっ!」
下腹全体を貫かれている感覚は分かる。
出入りするごとの過剰な圧迫感も。
ただそれが奥を突いてきたときに、潰されるみたいな感覚に体が驚いた。
「はっ……ああ!……っうあ!」
その苦痛の方が勝ってきて、途中からは早く終わって欲しいとさえ感じた。
汗で髪が首筋や背中に張り付く。
こんな玄関先の廊下で汗まみれの体を擦り付けて。
衝撃を和らげようとするわたしの腰を押さえ付け、何度も何度も穿たれる。
まるで動物みたいな行為だと感じた。
「はあっ……出るっ。外に、出す……ね」
避妊をする余裕もなかったのに今さらながらに気付く。
急に抜かれたとき、きつい栓を外され弾けた浮遊感のようなものを感じた。
発された体液の熱さを腰の辺りに感じる。
浅い息を何度も吐きながら、わたしはやっと安堵に目を伏せた。
「……ティッシュある?」
「右、トイレ……」