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片恋は右隣

第3章 ちょっと先走りすぎじゃないですか


本日の外は曇り空。
気温は高いわりにあまり湿気がないのが助かった。
汗でファンデ剥げてる顔とか見られたくないし。

同じく昼の休憩で、わたしたちはオフィスから出てくる人の波に乗った。

「スケジュールみたら簡単に分かるんだよ。 なんでこっちのこと異様に避けるの? 三上さん、ただでさえ無愛想で話さないのに」

「それはまたあとで……ランチはお蕎麦でいいですか?」

まだ会社を出たばかりだ。
知った顔が居ないかと、わたしが焦って周りを見渡した。

「昼なんかなんでもいいって。 で、なにさっきの。 飲みとかまじで?」

「飲みというか……話聞いてました? 倉沢さんの歓迎会の下見ですよ」

「んなもん行きたくねえよ」

「は?」

荒い口調に思わず倉沢さんを二度見した。
ムッツリとした顔でとても不機嫌そうだ。

「いや、主賓ですよね。 花邑くんも幹事で頑張って」

「花邑」

「ああそうそう。 ちょうど企画部の人だから、今から親交深めるのもいいですし」

彼からチッ、と舌打ちが聞こえたのは気のせいだろうか。

「三上さん、おれが他部署行くの嬉しそうだったよね? なんか。 それに週末おれとデート行くのに、なんで前日に他の男と飲み?」

なんだろう、先ほどから彼が変だ。
それでも、セリフだけを拾うと彼の言動に思い当たることはひとつ。

「ええと……? 倉沢さん。 それ、まさか妬いてる……とか?」


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