片恋は右隣
第5章 わたしを愛してくれるんですか
「はァあ……っう…あ…はぁ」
「……すごい気持ちよさそ。 いっぱいいけた?」
達したあともゆるゆるとうごめいていた指先におぼろげに気付くころ、わたしはやっと湿ったまぶたを薄く開いた。
「床の上はちょっと可哀そうだから、こっちおいで」
ふぁ、とか、はあ、とか。 ふわふわした言葉しか話せないどころか、うまく起き上がれなかった。
そんなわたしの腰の下辺りに腕を入れ、倉沢さんが座ったまま後ろから抱きすくめる。
「美優の体、熱くって火傷しそう。 かわいいよ…入れていい?」
床にくしゃりと丸められたストッキングとショーツが目に入る。
腰とお尻を支えられて力の入らない体が浮き、秘肉の皮膚が圧される抵抗を感じた。
でもそれは最初だけで、充分な前戯に浸された自分の体は、異性を誘い込もうとでもいうようにその場所を容易に相手に伝える。
ぐぶぶ…と襞を巻き込んで下から進んでくる。
最初に彼が入ってくるときはいつも優しい。
わたしを驚かせることもなく、けれどそれは完熟した果実のように甘美で、反面、呼吸もわすれるほどに重苦しい。
「あぁあっ────────…」
高く伸びた音が喉元から絞り出る。
抱えられた脚が自然とまっすぐに持ち上がった。
自分の体も、入ってきたその熱も、背中や頬に当たる彼も、見えない熱気で目がくらむ。
「美優ん中、ちっさくて…ギュウギュウ締まる、気持ち…っ…まだ動いてんね」
「ふっ…あ、待っ…! まだ、だめ」
硬い肉の切っ先が奥底を押し上げる。
前かがみになりかけたわたしを、倉沢さんが胸の下に両腕を巻き付けて抱き寄せた。
「待てない。 欲しくて死にそう」