鬼の姦淫
第2章 社の守り人
「あやつらのようにはな」
言葉の意味は分からなくても、この人が私を見詰めていた瞳も、肩を抱いている手も優しく気遣わしげで。
今ゆるりゆるりと私の衣服の上から撫でられている感触も心地よかった。
『あ』
ちょうどそれが私の胸に乗り、柔らかく包まれる。
そこを探る手は、まるで着ている服に皺をつけることさえ躊躇しているようだった。
けれど私はさっきから声を発することが出来なくて、それが不安だった。
喉までは空気が運ばれるけど、そこから先が形にならない。
胸先を布越しに擦られ、思わず腰が浮いた。
「心地好いか?」
その動きが止まり、私の返事を待っていた。
もしも首を横に振ればきっとこの人はやめてくれるんだろう。 私はそう思った。
『……は、い』
声にならないのも忘れてそう答えると、再び私に触れ始める。
制服の隙間から這ってきた指先が胸の膨らみに沿って滑ってきた。
それが左右に往復し、下着の中に入り込む。
女性のように滑らかな手のひらに、すっぽりと私の片方の胸が覆われた。
手の位置を変えながら揉まれ、自然と吐く息が早くなった。
やんわりとつままれた先端に、また腰があがる。
『あっう』
「小さく色付いて可愛らしい」
胡座をかいている彼の上に私が仰向けになっているので、見られてるんだろう。
そう思うと鼓動が大きくなった。
くいと軽く挟んでは離し、時おり指の腹で撫で合わせ、なにか戯れにそうしているようだった。
開けっ放しの、しんとした神社の中でなにをしているんだろうと思う。