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いつかの君に感謝を

第6章 処置室

はぁ……、痛かった。麻酔を塗ったのにまだ凄くジンジンして痛い。多分もう少し時間が経てばこの痛みも消えていくんだろうけど

「寒くない?大丈夫?麻酔が効くまでは手だけ拘束ベルト外しておくね」

玲央は拘束ベルトを取り、舞の頭を頑張ったねというようにポンポンと撫でながら舞に聞いた


舞は玲央の言葉を無視して自分の体にかかっている大きなタオルを頭まで被って玲央を拒絶した


玲央はそんな舞の行動に苦笑いを浮かべ、次の処置の道具を準備したり、カルテを確認したりしていた。


5分程時間が経ち、玲央は先程の看護師さんたちを呼びに行った


「舞?先生看護師さん呼んでくるからいい子で待っててね」


舞はずっとタオルを頭まで被っていた。


先生が看護師さん達を呼びに行ったってことは処置が始まるってことだ


嫌だな……


逃げたい……


今なら逃げれるはずだけど点滴のチューブとか私の近くに沢山コードがあるから絶対に引っかかって直ぐに逃げることが出来ない。しかもこの拘束ベルト簡単には外すことが出来なさそうだし


そんなことを考えている間に先生は看護師さんを引連れて帰ってきた。私が今最大限にできる抵抗はタオルを頭まで被っていることだけだ。


「舞?そろそろ始めるからタオルから出てきて」

玲央は少し苦笑いをして言った。


「舞?そんな抵抗しても無駄ってことわかってるでしょ?
今からは頑張る時間だよ。看護師さん舞のタオルをとって手を拘束ベルトで固定してください。動くと危ないので固定にゆとりがないようにしてください」


「分かりました。堀北さん、嫌だと思いますがタオルをとりますね〜、危ないので手も固定させていただきます」


舞は人見知りで、知らない看護師さんに話しかけられるとさっきまで抵抗していたが、素直に看護師さんの言うことを聞いた


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