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いつかの君に感謝を

第6章 処置室

舞はキョロキョロと周りを見てこれから自分が何をされるのかを想像して、恐怖と不安の渦に飲み込まれそうになっていた

そんな舞を見かねて玲央が優しく声をかけた


「そんなに不安にならなくても大丈夫。すぐに終わるから。そろそろ始めるよ」


そして玲央は注射器がたくさん入ったトレーが乗ったワゴンを近くに持ってきて看護師さんたちに目配せをした


「舞ちゃん、今から少しだけ目隠しするけど怖くないからね〜」と看護師さんが声をかけ、舞の目に目隠し用のタオルをのせた


舞は目隠しをされ恐怖心はさらに高まった。


「じゃあ始めるよ。まずは麻酔の注射をするけどさっき麻酔を塗ったから最初はそんなに痛くないからリラックスしててね」


そして玲央は舞の胸の晴れている部分の周りに注射器をさして麻酔を少しづつ入れていった。


舞は注射器が刺さる瞬間にビクッとして動いたが、看護師さんに肩と腰を押えられているため少しも動くことは無かった。


玲央が麻酔の注射を腫れの中心部に近づけていく度に痛みが強くなってきていた


「んッ…いッたいッ…あ”ぁッ…やめ、んッ…て」

舞は鈍くて重い痛みに耐えるように声を出した


「ごめんな〜。痛いな〜、晴れが酷い部分にはなかなか麻酔が効かないんだよな。もう少し頑張るよ」


そして看護師さん達に固定をよりいっそう強めてもらい、腫れの中心部に深く針を刺し、麻酔を注射した

すると舞は強烈な痛みから泣き叫び、玲央の手や、固定から逃れようと必死に動こうとした。しかし、舞はビクとも動くことが出来なかった


「ん”ぁぁぁぁぁぁぁ!いや”ぁぁッ!痛い!離してよ!あ”ぁぁぁぁぁぁやだやだ!ヒクッ」


「痛いね〜、でもあともう少しだから動かないよ〜。」


そして玲央はゆっくりと注射器を抜いて止血した。


「よしとりあえず麻酔は終わり。麻酔が効くまでもう少し我慢しような。この先は僕1人で処置出来ますので各自の業務に戻っていただいて結構です。お手伝いありがとうございました。」


看護師さんたちは玲央と会釈をすると処置室から出ていった

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