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My life

第51章 壮絶な夜

美桜side

薬がお腹に染みて痛い。もう何もやりたくない……


美桜がベットに横になってぐたっとしていると湊が美桜の目線の高さに合わせて頭を撫でた


湊先生がいきなり目線合わせてくるとか嫌な予感しかしない


「みお〜、ちょっとお熱高いから最後に注射1つだけ頑張れるかな?」


ほらね。先生頑張れるかなって私に聞いてるけど顔では頑張れっていう顔をしてる


でも本当にもう痛いことは何もやりたくない。ダメ元で頑張れないって言ってみようかな


「………頑張れない」

湊は真剣な顔をして美桜に話した

「ねぇみお?みおはさ、本当はしないといけないってわかってるでしょ?」


そんなのちゃんとわかってる。でも嫌なんだもん。今日たくさん頑張ったし。


でも先生の真剣な表情を見て分からないって言えるわけないし、かと言ってわかってるって言ったらすぐに注射されるから勇気がなくてうんとも言えない


美桜は身体的にも精神的にも疲れており、このどうしようもないような状況に涙が出てきた


「ヒクッ……グスッ…ヒクッ……うッヒクッ…」

湊は先程までの真剣な顔とは変わって優しい顔で美桜の頭を撫でた

「大丈夫大丈夫。美桜はちゃんとわかってるもんね。すぐ終わるから頑張るよ」

そして美桜はベットに座っている樹に上半身をハグするような形で抑えられ、湊はいつでも始められるように準備をした

「すぐ終わるからね〜、頑張れ〜」

湊が声をかけるとサッと腕を消毒した

美桜は樹の胸に顔を埋めて涙を流していた。そして湊に消毒をされることで恐怖から体に力が入った

「頑張れ」

樹が美桜を励ますように声をかけると湊はすぐに針を刺して薬液を入れた

「終わったよ〜、頑張りました〜、もう今日は何もしないから大丈夫だからね」

湊は美桜の頭をポンポンと撫で使った道具の後片付けをした


美桜はしばらく樹に抱きついたまま涙を流していた


そして湊が一旦部屋を出るとすれ違うように悠斗が部屋に入ってきた

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