🥀Das Schloss des Todes🥀
第1章 mein Prinz
お兄ちゃんをリビングに一人残して、自室へと移動した私は、ベッドの上でお気に入りのビスクドールを抱き締めながら、思考を巡らせていた。
勿論はそれは、今後の事だ。
アイツを殺したのはお兄ちゃん。
だけどその根本的な問題はアイツ自身にあって、結果的にお兄ちゃんを犠牲者にしてしまったのは私だ。
今回、犯罪を犯したのはお兄ちゃんだけど、もしお兄ちゃんに隠したまま、アイツのセックスを受け入れていたら、私が人殺しになっていたのかもしれない。
その可能性だって充分にあった。
お兄ちゃんに全てを一任させるのは、
言い換えれば、責任の全てをお兄ちゃんに押し付けているのと同じじゃないの?
それでいいわけがない。
何か私に出来る事...無いの...?
何で何も思いつかないの?
いつも私は守られてばっかりで無力だ。
だが、思考を巡らせば巡らす程、嫌気がさしてきた私は、考える事を止めるとスマートフォンとイヤホンを取り出した。
チャイコフスキー バレエ(くるみ割り人形)の全曲が収録されたCDをそのままダウンロードをしたものだ。
その中でも比較的有名な「行進曲」を選ぶと、青いドレスを着たビスクドールを再び抱きしめながら、お兄ちゃんが来るのを待ち続けた。
ホルンとバイオリンが作り出すメインメロディーが好きで、何度もリピートする。
塞ぎ込んでしまいそうな気持ちが少し回復してきた所で、私の脳内を良からぬ考えが掠った。
お兄ちゃんは、本当に他の方法を探しているの?
そうだって言い切れる?
もうとっくの昔に警察に通報していたら
どうしよう