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🥀Das Schloss des Todes🥀

第1章 mein Prinz






やっぱりお兄ちゃんを一人にするんじゃなかった。


またしても後悔が押し寄せ、真っ青になった私は、慌ててイヤホンを外し、リビングへと向かおうとして、自室のドアノブに手をかけようとした。






すると突然、室内が暗闇に包まれた。


停電?と思ったのも束の間、確かめようとしてドアノブが開かない事に気付いた。


私の部屋に鍵なんて無い。


それがどうして開かないの?


突如、密室となったこの状況に私はパニックに陥った。
何度ドアノブをガチャガチャ回しても開かない。原因不明の停電もいつ終わるのか分からない。

心臓が徐々に早鐘を打っていく中、追い討ちをかけるように密室となった私の部屋に謎の冷気が入り込んでくるのだ。


思わず「ひぃ!」と小さな悲鳴を上げて、後退する。投げ捨てたスマホに繋がったイヤホンから僅かに漏れ出た行進曲が背後から聞こえてくる。
その曲だけが救いだった。



暗闇の中、私はベッドの方へと向かった。


けれども、あっという間に呼吸が苦しくなって私はその場にうずくまってしまった。

胸の苦しさに加えて、手足の痺れもある。
過呼吸だとは分かったが、対処法が分からない。
何せ初めてだったからだ。




このまま私.............死んでしまいそう。




怖いよ、怖いよ。



助けて。






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