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🥀Das Schloss des Todes🥀

第1章 mein Prinz




「全部消したんだ。
 だから無いんだよ。余計な物は。」


じっと、お兄ちゃんの顔を凝視していると、そう穏やかに言われた。
愚鈍な私は最初、お兄ちゃんの言っている意味が理解出来なくて「どういう事?」と聞き返した。

するとお兄ちゃんは菩薩のような微笑みを浮かべながら、ハッキリとこう言ったのだ。



「神様が来て、魔法を使えるようにしてもらったんだよ。」って。



俄には信じがたいお兄ちゃんの言葉に仰天だった。


呆然としている私に、お兄ちゃんは更に続けたのだ。


その神様が来てくれたのは、つい先程で
クララが熱心に教会に通っていたから、来てくれたのかもしれないね。
ありがとう、クララと。



そう私を褒め続けるお兄ちゃんの姿に私は初めて得体の知れない恐怖を感じた。



本当は精神的に追い詰められているんじゃないの?


仮にその荒唐無稽な話が事実だったとしても、神様がお兄ちゃんの元に来た時、私は暗闇の中、過呼吸に陥っていたんだよね?


どうして神様は私を自室に閉じめこるような事をしたの?


何か...何かが絶対変なような気がする。



半信半疑でお兄ちゃんを見つめていると、お兄ちゃんは、ポケットから細長い棒のような物を取り出した。
そして私にこう言った。

要らない物は有る?
消してあげるよって。

私は試しに屑籠を持ってくると、その屑籠に入ったゴミを指さした。


お兄ちゃんはその棒を一振りすると、


一瞬でゴミ箱は空っぽになったのだった。


「!お、お兄ちゃん、ゴミ何処に隠したの?!」


ビックリした私は、お兄ちゃんの袖口やポケットを探したが、何も出てこなかった。
まるでちょっとしたマジックみたいだった。



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